車両に搭載したカーナビやドライブレコーダーなどの車載機を、通信システムを利用してインターットに接続し、さまざまな情報を管理したりして、関連サービスを提供するのがテレマティクスです。GPSは、そのテレマティクスに欠かせない存在となっています。
今回は、GPSの仕組みを紹介します。
GPSは軍事目的で開発された!
今はスマートフォンにも搭載され、だれもが知っているGPSですが、運用が始まったのは1993年。米ソ冷戦時代に、アメリカ合衆国が航空機や船舶の位置の情報をリアルタイムに正確に把握するために開発しました。
GPSの仕組み
GPS衛星は1機だけでは無く、31機が打ち上げられていて、上空約2万キロをぐるぐる回っています。同時に複数(最低でも4機)の衛星の信号を発信し、受信側(サービス利用者)までの距離と時間から位置を計算し、特定するというものです。当然ですが、信号を受信できる衛星の数が多いほど、位置の精度は高まります。
一方、衛星の電波が届かないビルの間や高架下、トンネルなどでは精度が下がってしまいます。また、屋内では位置が測定できません。GPSを搭載しているスマートフォンは、屋内や地下街にいても位置がわかりますが、これは、携帯電話基地局やWifi基地局などの別の測位方法が使われているからです。
なぜ位置情報がずれてしまうことがあるのか?
- GPS側衛星の時計誤差 1~2m程度
- 衛星軌道情報の誤差 1~4m程度
- 大気遅延(電離層・対流圏) 2~20m程度
- 建物や山の反射(マルチパス) 数m
- 受信機側の時計誤差 1m程度
- その他ノイズや信号減衰(携帯電話<LTE電波>、電子機器と干渉、
妨害電波<ジャミング>など 受信数減少の原因となる - システム障害(ごくまれに発生事例がありました。)
- 衛星の配置・補足数不足 数十m
このような、8個の理由によって、GPSの位置情報に誤差やズレが発生してしまいます。 アメリカ以外の国も位置情報の精度を上げるための衛星システムを持っています。ロシアの「GLONASS」、中国の「BEIDOU」、EUの「GALILEO」、インドの「IRNSS」、日本の「QZSS」(準天頂衛星システム「みちびき」)などがあります。これらの衛星システムの総称は「GNSS」と呼ばれています。
日本の位置情報の精度を上げる「みちびき」
「みちびき」はGPSの働きを補助し、日本国内の位置情報の精度を上げるため、主に日本上空に滞在しています。2018年11月からは、4機体制で運用されています。みちびきは、 位置情報を取得できる環境を作り出し、より安定的な測位を実現しています。また、みちびきから「電離層の影響による誤差」を軽減するための信号(サブメータ級測位補強情報)を送信しており、これを既存の受信機を改良することで信号を受信することができるため、従来のGPS誤差10メートル程度が、誤差1メートル以下で測位可能となります
位置情報だけじゃない!こんなにたくさんあるGPSの活用方法
TMX-DM03の対応している衛星はGPSだけではありません。みちびき、GLONASS、Beidou、Galileoにも対応しているため、高い精度で位置情報を測位することができるのです。
また、GPSでは、位置情報だけでなく、発信した日付と時間の情報も取得可能です。そのため、Pdriveサービスでは、リアルタイムの現在位置情報だけでなく、車両の走行速度や時刻、走行距離、走行経路、アイドリング時間、指定エリア通過回数など、様々な機能に活用されています。この機能により、車両管理や運行管理を可能としています。
それでは、GPSを活用することで実現しているPdriveサービスの機能を紹介します。
現在位置確認
日報の走行経路自動作成
エリア通過記録
アイドリング時間超過検知
速度超過検知
イベントマップの作成
ヒヤリハットマップの作成
最後に…
今回はテレマティクスに欠かせないGPSについて紹介しました。
Pdriveでも多くの機能に活用され、位置情報だけでなく、多くの「見える化」の手助けとなっています。
今後もこちらのブログで、HPでは語りつくせてないPdriveの魅力や機能を紹介していきますので是非ご覧ください。