物流業者だけでなく、車両を利用するすべての企業にとって欠かせないのが車両管理です。日々移動するため、管理者の目が届かず使用状況の把握ができない車両を管理するのは難しいことです。

それは車両が増えれば増えるほど、またドライバーが増えれば増えるほど難しくなり、車両管理を行う管理者の方々の悩みも多くなってしまいます。

車両に関する悩み企業にとって必要不可欠な車両管理とはそもそも何なのか?、何をすれば良いのか?今回は「車両管理とは」について紹介します。

車両管理とは?

車両管理とは?文字通り、「企業や組織が所有する車両に関する管理を行う」ことです。ただし、車両の情報を記録するだけではありません。
具体的に、車両管理とは次の4つの項目に分けることができます。そしてそれぞれの項目の管理を行います。

  1. 車両本体の管理
    自動車登録番号、車名、メーカー、型式、車台番号、仕入先、購入または契約年月日、仕入れ区分、廃車または解約年月日、車検の有効期限、定期点検日、整備工場名
  2. 車両経費の管理
    購入またはリース金額、車検費用、定期点検費用、自賠責保険金額、任意保険金額、事故対応経費、修理対応経費
  3. 運転手の管理
    安全運転教育、運転時間管理、飲酒運転防止、部署、使用目的
  4. 運行の管理
    車両の適切な配置、運転時間の適正化、運行状況の把握、走行経路の適正化

車両1台の管理だけでこれだけの項目の管理を行う必要があります。車両管理を行う際には、車両管理を行うための台帳を作成するか、あるいは車両管理システムによって管理するのが一般的です。

なぜ車両管理が必要なのか?

車両管理の4つの項目を管理するのは、簡単なことではありません。手間もかかってしまいます。しかし、車両管理を適確に行うことによって得られるメリットは2つあります。
「リスクの回避」と「コストの削減」です。

リスクの回避

従業員が起こした交通事故は、従業員だけの責任になる。なんてことはありません。従業員だけではなく、会社の責任にもなります。これは、民法で決められています。

  • ドライバーの損害賠償については民法第709条で定められています。
    「自分の行為が他人に及ぼすことを知っておりながらあえて(故意)違法の行為をして、他人の権利や利益をおかし損害を与えた者は、その損害を賠償しなくてはならない。不注意(過失)による場合も同様です。」
  • 企業の損害賠償については民法第715条で定められています。
    「ある事業のために他人を使用する者は,被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし,使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき,又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは,この限りでない。使用者に代わって事業を監督する者も,前項の責任を負う。」

従業員が起こした交通事故は会社のブランド低下や、社会的信用の低下など、様々な損失を発生させてしまいます。車両管理を徹底することによって、ドライバーの意識を改善し、リスクを回避できるかもしれません。

「コストの削減」

車両の運用には、当然ですがコストが発生します。主なコストにはガソリン代やリース車両費、整備・点検費などです。


整備・点検は車両の安全確保のために行う必要があるため、削減することが難しいコストですが、車両管理を適切に行うことによって、ガソリン代とリース車両費は削減できる可能性があります。

従業員によっては、ビジネスとは関係のない私用目的で車両を使っていたり、時間つぶしなどの目的で無駄な走行を行っていたりする可能性もあります。無駄な目的での社有車使用を抑えることでガソリン代を削減します。また、稼働状況を管理することで、使用頻度の低いリース車両を解約し、リース車両費の削減を行うことも可能です。

車両管理によって社員の運転状況を把握し、無駄な走行や無駄な車両を減らせれば、コスト削減につなげることができるのです。

最後に・・・

今回は、車両を利用する企業様に欠かせない車両管理とは何かについてご紹介しました。

今後もPdriveマガジンで、車両管理の具体的な方法や、車両の管理者の負担を軽減する、おすすめ車両管理システムなども紹介していきまので是非ご覧ください。